第3章で書いたブレインストーミングファシリテーターの他にも役職を置いた方が進行がスムーズになります。
繰り返しになりますがブレインストーミングファシリテーターとは「ブレインストーミングがルールに従いアイディア創造という目的を果たすために、ブレインストーミングをコーディネートする進行役」です。
成功するか否かこの人にかかっています。
しかし、すべての仕事を一人で請け負う必要はありません。
参加メンバーに仕事を割り振ってしまえばよいのです。
書記を置くスタイルと置かずにそれぞれ自分のアイディアは自分で書くスタイルがあります。
おすすめは書記を置くスタイルです。
書記を置かずに自分で書く場合は書いている間、他の人の発言を聞き漏らしてしまうからです。
人数が多い場合は書記を2名指名して出たアイディアを交互に書き留めていくとよいでしょう。
また、書記の人はアイディア出しに参加するかという問題ですが、慣れてきたらどんどん参加すればよいでしょう。
付箋を使う場合、1枚に1つのアイディアを書くようにします。
1つのアイディアのなかに2つ以上の単語が並列で出てきた場合も、別々に分けて書くようにします。
例えば「テレビやラジオを使う」というアイディアであれば「テレビを使う」「ラジオを使う」の2つにします。
ブレインストーミングの基本はヒントの連鎖なのです。
ですから言葉をまとめてしまうのはやってはいけないことなのです。
ホワイトボードや模造紙に付箋を貼る時は、貼る場所にこだわる必要はありません。手近なところから貼って行って構いません。
模造紙をメンバーで囲んで行う際には向きはそろえておいたほうがよいでしょう。
後で見直す際には向きがそろっていた方が都合がよいからです。
ブレインストーミングファシリテーターのサポート役です。
人数が多い時には指名すると良いでしょう。
具体的な仕事は
・ルールが守られているかどうかのジャッジをして守られていない場合は指摘する
・積極的にもりあげる声を出す
・タイムキーパー
などです。
これらの仕事は特定の人しかやってはいけないというものではありません。
特に指名されていなくてもブレインストーミングが機能するように参加者全員が意識することは大事なことです。
アイスブレイクとは対人スキルで心を開かせるスキルのことです。そこから派生して複数の人が集まって何かをする際に、緊張をほぐして本題がスムーズに始められるようにする技術、またはその際に行うゲームのこともアイスブレイクと呼ばれます。ブレインストーミングを始める前に簡単なアイスブレイクの時間をとるとよいでしょう。
日本人は対人スキルが低いと言われています。
島国であり、今でこそ国内の移動はあたりまえですが、かつては村社会であることが原因と言われています。既存の仲間に対しては無条件で信じる一方、初対面に人間には積極的にかかわろうとしないのが特徴だそうです。
エレベーターで見ず知らずの人と一緒になった際、日本人のほとんどは挨拶はしません。話しかけたりすれば変な人と思われます。
これがアメリカでは積極的に話しかけます。(聞いた話です。)話しかけてコミュニケーションをとることで相手に対してこちら側が敵意がないことを示すためだと言われています。そうしなければ緊張状態が続き、ちょっとした行動、例えば内ポケットからスマートフォンを取り出す行為が拳銃を取り出すしぐさに誤解され、先に攻撃される恐れがあるからです。
余談 あいさつ あいさつは何のためにするのでしょうか? 小学校や中学校であいさつ運動というのをやった思い出があるかもしれません。その時に素晴らしい先生がいたらあいさつをする理由を教えてくれたかもしれません。 ちなみに「あいさつをすると気持ちがいいから」は不正解です。そりゃまああいさつが返ってくればいいですが、返ってこないと残念な気持ちになります。そしたらあいさつしないほうがましになってしまうではないですか。 子供はあいさつをするのに大人になるとあいさつをしなくなるのは、なんのためにあいさつをするのかがわからないからではないかと私は考えます。 あいさつをする理由は「仲間作り」です。 何かをするとき自分1人ではできないことがほとんどです。自分を理解してくれて協力してくれる人が必要です。自分の味方になってくれる人を増やすためのコミュニケーションの第1歩があいさつなのです。 もし、あなたがとても残念な、ダメな組織にいたとして、いきなり「このままじゃダメだ、俺の言うことをきいてくれ」と言っても誰も動いてくれないでしょう。正論をぶつけるだけでは変化は起こせないのです。まずは挨拶、つぎに報告・連絡・相談といったコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、仲間を作らなければならないのです。 |
そのような背景もあり、日本人は初対面のひとになかなか緊張を解くことができません。
初対面ではないにしても友達でなければ緊張が伴います。
そこでアイスブレイクです。
アイスブレイクのゲームはいろいろなサイトで紹介されていたり、アイスブレイクの本も出版されていたりします。
そのなかで好きなものを探してみてください。
ブレインストーミングのアイスブレイクには以下の2つの条件を満たすものが適しています。
1.頭を使う。
2.声を出す。
単に昨日の出来事を話すというのではさほど頭を使いません。ブレインストーミングのウォーミングアップとしては思考を伴うものがよいでしょう。
そして声を出さないことによってコミュニケーションを図るアイスブレイクもあるのですが、積極的に発言するためにも全員が声を出すゲームがよいでしょう。一部の人だけが声を出して成立するものではなく、みんなが言葉を発するものです。
わたしのお気に入りのアイスブレイクを紹介します。
参加者が安心してブレストに参加するためには場のルールを設定し示すことが必要です。グランドルールとも言います。
ブレストによって生まれたアイディアや成果物の所有権を明確にしておきましょう。後に権利でもめることがあるからです。
・すべて組織に帰属する。
・すべて参加者全員に帰属する。
・採用されたアイディアのみ組織に帰属し、それ以外のアイディアは参加者個人個人が自由に活用できる。
などが考えられます。
アイディアとして出されたものの内容はハラスメント行為にあたらないとするものです。
誰かを傷つけるかもしれないから発言できないという事態を防ぐとともに、その人の評価を下げるリスクからも解放します。
ただし、直接的な民族差別、人種差別的発言は禁止したほうがよいでしょう。
ブレストの途中で誰かが他の誰かからかかってきた電話に出たり、中座してしまうと熱が冷めてしまいます。
携帯電話、スマートフォンの使用に関しては漢字を調べるために利用されますが、それは禁止してもよいでしょう。ひらがなでもカタカナでもよいのです。
何か具体的な言葉が思い出せなくて思い出すために検索するのに使うのはありです。
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