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本当のブレインストーミングをマスターして世界を変えよう

吉越戦略研究所 TEL. 090-2778-9202

〒945-0306 新潟県刈羽村十日市2190

第7章 成功のためのテクニック 3TECHNIQUES

アイディアが出なくなってしまう時が来るでしょう。充分に新規性のあるアイディアが出尽くした、またはこれは行けそうだというアイディアが出たならそこで終わってしまって構いません。
しかしそこまでに至らないことの方が多いでしょう。
そんな時に役立つスキルやテクニックをご紹介します。
このスキルやテクニックを使いこなせるような練習が必要だとも言えます。

個人テクニック

まず、一番最初の個人で考える時間に各自10個未満のアイディアしかでないというような場合、考える訓練が必要です。

1970年以降に生まれた世代はコンピューターゲームに慣れ親しんだ人が多いと思われます。現在スマートフォンのゲームをしている人も多いでしょう。

子供のころに手先を動かすことは脳の発達に貢献するという研究もあるようです。昔はそれがピアノだったのですが、最近ではスマートフォンのゲームでも同じ効果があるというのです。

しかし、それらの多くは制作者が作ったルールの元、単純な作業でキャラクターを強化し攻略を有利に進めるというものです。昔からある将棋などのテーブルゲームは使う駒は対戦者と同じなので頭を使わなければ勝てないのですが、今のゲームは時間かお金を使ってキャラクターを強化しなければ勝てないシステムなのです。そこにビジネスとしての源泉があるわけですが、プレイヤー側が創意工夫で楽しむ環境はほとんどありません。

この影響がどれだけなのかはしっかり調査しなければわかりませんが、単純作業を繰り返すことに多くの時間を費やし、新たな刺激を得る時間を失っていることが、現代人が考えることが不得意になっている要因である気がします。

あっ、先に書くべきでしたが、現代人は考えるのが不得意になっています!


では実際に考えるとはどのような作業なのでしょうか?

「現場をイメージする」

本来であれば現場を実際に調査し、どのようなことがおきているのかを知っておかなければいけないのですが、練習の時には可能な限りでイメージしてみましょう。

例えば、高速道路で逆走する車が事故を引き起こすというニュースが絶えません。高速道路を逆走する車による事故を防ぐという課題だったとします。

まず、車が高速道路に進入してから高速道路を下りるまでの行動を時系列に沿ってイメージします。

 一般道からインターチェンジに進入する
 ゲートを通過する(ETC or 一般レーン)
 目的地別の分かれ道
 走行車線への合流
 走行
 サービスエリアへの進入
 駐車
 サービスエリアからの退出
 走行車線への合流
 走行
 ジャンクション 分岐
 目的地のインターチェンジへ進入する
 ゲートを通過する(ETC or 一般レーン)


各場面でアイディアがないかを考えます。

ただ単に逆走した車が事故を起こす場面や逆走を始める場面だけを思い浮かべるよりもたくさんのアイディアを出すことができるはずです。


登場人物(役割)が複数登場する場合はそれぞれの行動を追うようにします。

例えば図書館の利用促進を考える場合
・利用者
・従業員
・運営者
などの役割が考えられ、それぞれがどのような作業をしているのかを考えるとよいでしょう。

 余談 バリューチェーン
これはビジネスでバリュー・チェーン分析という企業を分析する手法で使うフレームワークの考え方と似ています。
バリュー・チェーンは経済学博士のマイケル・E・ポーター先生が提唱したものです。


「具体的にする」

図書館の利用促進を考えたとき
「ポイントカードをつくる」
「カフェをつくる」
「SNSを活用する」
というようなアイディアが出されたとします。

これで終わりにしてはいけません。

ポイントカードはどんなポイントカードですか?
ポイントはためるとどうなるのですか?

カフェはどんなカフェですか?
具体的な店の名前でも構いません。

SNSはどのSNSをどのように活用するのですか?
Facebookですか?Twitterですか?Instagramですか?
そこに何を投稿しますか?
SNSの広告もいろいろありますよ?
既存のユーザーを活用する手法もありますよ?

いくらでもひろがりますよね?


「成功事例・先行事例を考える」

どこかで成功したものを最終的にそのまま真似するのではありません。
あくまで参考として、そしてヒントとして活用します。

おなじジャンルの成功事例だけが参考になるとは限りません。

どんな課題への取組みでも充分に参考になるはずです。

「時間軸を考える」

朝、昼、夕、夜
春、夏、秋、冬
これらの時間別に問題の場面をイメージすると別のアイディアが生まれることがあります。

例えば、朝起きられないという問題の解決法を考えた時、朝だけに焦点をあててはいけません。
夜寝る前からイメージしてみましょう。

それ以外にも
天候も時間要因といえるでしょう。

晴天時、雨天時、曇天時、荒天時

成長も時間要因です。

乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生、青年、壮年、老人

さまざまなシチュエーションをイメージしましょう。


     

「絵に描いてみる」

絵に描いてみることによって言葉では気付かなかった要素に気付くことがあります。
例えば「傘」というキーワードをイラストにしてみると、「雨」というキーワードやその形から「パラシュート」や「クラゲ」、「こうもり」というものまで見えてきます。

また、絵は右脳を刺激します。右脳は直感(インスピレーション)を司っています。



置き換えイメージ

「置換」

●ひとつのアイディアのなかの単語を類似するものに変えてみる。
●ひとつのアイディアのなかの単語を反対のものに変えてみる。
●ひとつのアイディアのなかの単語をまわりのアイディアのなかにある単語と入れ替えてみる。

これらはすぐに整合性のとれたアイディアになるとは限りませんが発想の転換のヒントになります。

ブレインストーミングでもっとも使いやすいのがこの手法です。


「オズボーンのチェックリスト」

オズボーンのチェックリストとはブレストの発明者であるオズボーン氏が新製品を発明するために開発したものです。先ほど紹介した「置換」もこの中にあります。

ブレストと異なる点は既存の製品を基に発想している点です。

オズボーンのチェックリスト  
例えば固形石鹸の場合
 転用
Put to other uses
製品はそのまま、あるいは改造して、新しい使い道は?  潤滑剤として使う
芳香剤として使う
 応用
Adapt
似たものはないか?   粉石鹸→小麦粉
→食べられる石鹸
消しゴム→石鹸はんこ
 変更
Modefy
意味、色、働き、においなどを変えて見たら?   汚れを落とす
→汚れにくくする
 拡大
Magnify
全体あるいは一部を拡大したら?
数字的な要素を大きくしたら 
 ソリとしてつかう
→台車の代わりにする
縮小
Minify
全体あるいは一部を縮小してみたら?
数字的な要素を小さくしたら 0にしたら
 観賞用のオブジェ
 代用
Substitute
他の素材にしたら?
何かで代用できないか?
 食品 はんぺん 豆腐
  置換
Rearrenge
要素を取り換えてみたら?
位置を変えてみたら?
 スポンジの中に入れてみる
 逆転
Reverse
ひっくり返してみたら?
向きを変えてみたら?発想を変えてみたら?
 汚れる石鹸
→味わいが出る石鹸
 結合
Combine
 何かと組み合わせてみたら?  錆止め剤と組み合わせる


オズボーンのチェックリストのキーワードは概念のみです。
それだけではいまいち使い勝手が悪いのでそれぞれの概念をもっと使いやすいようにアレンジしたものがたくさんあります。ネットで容易に探すことができます。

いくつかの題材をもとにオズボーンのチェックリストを使ってみるという練習も効果的です。


「ブドウ糖を補給する」

脳がエネルギー不足になっては良いアイディアはでません。
脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖の補給も大事です。


「類比発想法  NM法とシネクティクス法」

これらはアナロジーを使った発想法です。連想ゲームのようにキーワードだけをたよりに他の何かを取り上げます。そしてそれと解決すべき問題点を結びつけることによって解決法を探るというものです。
ブレインストーミングと同じくらい奥が深いものですので内容は割愛します。興味があれば調べてみてください。


「強制連想法 チェックリストやマトリクス法」

チェックリストには先ほど紹介したオズボーンのチェックリストも含まれます。
マトリクス法とは一種のフレームワークです。
2軸や3軸をとりそれぞれに要素を割り当てます。
2軸にとって、レベルを3段階に設定すれば9個のフレームが作れるので9個のアイディアになります。
3軸にとって、レベルを3段階にすれば27個のフレームができます。
空欄を埋めていくことで抜けをなくしていくというものです。


ブレインストーミングファシリテーターのテクニック

行き詰った時にブレインストーミングファシリテーターが使えるテクニックを紹介します。

そしてここに来てブレインストーミングファシリテーターと書くのが煩わしくなってきたので以降“BF”と書くことにします。(笑い)

また、大前提として参加者が真剣にブレインストーミングに取り組んでいるものとして書いていきます。

もし、何回か練習をして真剣に取り組んでいない人がいたらメンバーから外れてもらってください。または組織で目的の確認、共有を再度行ってください。(ブレインストーミングの目的ではなく、組織の存在目的や経営理念のことです。)

沈黙イメージ「沈黙を恐れない」

生みの苦しみというものがあります。考える時間が必要なのです。ですから少しくらい沈黙が続いたからと言って何かをしなければいけないと思う必要はありません。

沈黙に耐えられずにどうでもいいようなことを喋ってしまったら誰かが考えているのを邪魔しているのと同じです。4,5分の沈黙なら当たり前と思って大丈夫です。

これがテクニックなのかと言われると難しいですが、大事なことなのです。

「流れを変える 流れをつくる」


とは言え練習の段階から5分の沈黙はヘビーです。
ワークショップとしても不完全燃焼になりかねません。

そんな時はそれまであまりスポットが当たっていない、それでいてとっかかりがありそうなアイディアにみんなの意識を向けさせましょう。

個人テクニックのところで書いた「具体的にする」というのが使いやすいでしょう。

「このアイディアはもっと使えそうな気がするんですけど・・・(と言って読み上げる)」
「この『○○と××する』というアイディアの○○は例えばどんなのがありますか?」


その際、寡黙なメンバーが出したアイディアであれば尚のこと良しです。自分のアイディアが他の人のアイディアのヒントになることでアイディア出しへのモチベーションが上がり、そのメンバーの成長にもつながるかもしれません。


「自分で思いついたアイディアを人に言わせる」


ちょっと高等テクニックです。

BFも発想に参加していると思います。そこで思いついたアイディアを自分が言えば沈黙タイムはリセットされますがそれでまた沈黙スタートになりかねません。

ますます苦しむことになるでしょう。

そんな時はアイディアそのものは出さずに自分が発想に至った流れをヒントとして提供するのです。

例えば参考になった2つのアイディアがあったとすれば

「このアイディアとこのアイディアを何とか結び付けられないでしょうか?」
と言ったりするわけです。

そこで自分と同じ答えが導き出されることもありますが全く違うアイディアが出て来る場合もあります。


「リフレッシュする」


単純なことですがリフレッシュすることも有効です。

◎休憩を入れる。散歩をする。
・・・と言っても周りにヒントがないかチェックしながらです。

休憩中のスマホの使い方としてニュース記事などを読むのはよいですが、ゲームをするなどはNGです。


◎深呼吸をする。
・・・脳に酸素が供給されます。

※ちなみに“あくび”は、眠い時、退屈な時に出てしまうものとされていますが、脳に酸素を供給し覚醒するために出るものだという説もあります。


◎みんなで体を動かす。(体操する。)
・・・血流が良くなります。やりすぎには注意が必要です。



「出たアイディアの数を数える」


今いくつのアイディアが出たのか数えてみるとやる気が復活するというものです。
そして「後10個頑張って考えましょう」というと頑張れるらしいのです。

人間はゴールがなければ頑張れないという心理学の統計があります。

フルマラソンを何度も完走したランナーも、ゴールを決めずにただただ走ってもらうとフルマラソンの距離を走ることはできないと言います。
不思議なものです。


(練習時 複数チームがある場合)
「はじめにチームの名前を考えさせる」


自分たちはチームだと意識づけるためにチームの名前を考えさせてみましょう。
これだけで仲間意識が向上します。
するとメンバーからルール違反やそのたの注意を受けることがあっても対立が生まれにくくなります。


(練習時 複数チームがある場合)
「アイディアの数を競わせる」


勝負ごとになると急にやる気になる人がいます。そういう人がいる時は競わせてみるのも有効です。


(練習時)
「最後に奇抜なアイディアを賞賛する」


これは今後のためのテクニックです。出たアイディアの中から
・自分では思いつかないだろうと思った奇抜なアイディア
・成功したらワクワクするアイディア
・自分がアイディアを出す際に参考になったアイディア
などを1人ひとつずつ選出してもらうのです。
簡単に言うと褒め合うということです。


(長期のプロジェクトの場合)
「中断する」


休憩などという生易しいものではなく日を改めて仕切りなおすということです。

もちろん中断期間中も課題を忘れてはいけません。

雑貨屋、博物館、美術館、おもちゃ屋などたくさんのヒントがある場所に行くのも有効です。

使命の前にプライベートと仕事を割り切ることはナンセンスです。

業界新聞を読む。百科事典を見る。
出来ることはいくらでもあります。

(長期のプロジェクトの場合)
「後でアイディアを募る」


これも同じことです。
終了時間がきたら終わりではありません。
何かを始めるのに遅すぎることはないと言います。

期限の決まったプロジェクトであろうと柔軟に対応出来る社内のプロジェクトであれば計画を見直してもよいのです。

課題が頭の中に残っていたら日常生活の中で、はたまたメディアで報じられるニュースのなかにもヒントはあり、それらとブレストで出たアイディアをミックスすることでよいアイディアはいくらでも出てきます。

それを「遅かった」と切り捨てるのはもったいないではないですか?

 第7章まとめ
  1. 個人の発想力を高める方法がある
  2. 進行役のテクニックがある
  3. あとからでるアイディアをひろう




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